あなたは教えているとき、ほめること、できていますか。
教育の場面でよく目にすることがあります。
それは、教えたことは相手もすぐにできるようになると思ってしまうことです。
教えてすぐにできるようになることもありますが、技術的なことであればあるほどすぐにできないことのほうが多いはずです。
相手ができないときに、あなたはどんなことを考えますか。
「なぜこの人はこんなこともできないのか」
「言ったことをしてくれればいいのになぜできないのだろう」
と、相手ができないことにフォーカスしていませんか。
「どうしてできないのかな。教え方が悪いのかな」
「どうやって教えればできるようになるのだろう」
と、自分の教え方を振り返り、自分が相手のためにできることを考えますか。
どちらの考えが正しいとか悪いとかを言いたいわけではありません。
ただ、教育の場面には相手がいることなので、よりスムーズに相手が理解するためには、後者の考え方が大切になってくるのです。
前提として、今すぐにできなくても、同じ作業であれば、繰り返し毎日取り組めばいずれはできるようになるのです。
しかし、職場においては気の長い話を言ってはいられないので、教えたことがスムーズにできるようになるためには実は計画が必要なのです。
また、相手が指導によって、何に気づくか。何に注目しているかを見極める視点も必要です。
それは、専門用語でアセスメントと言います。
ここでは、専門的な言葉は使わないでおきますが、興味のある方は「アセスメント」で調べてみて下さい。
私たちが教育をするときには、「できた」「できない」をただ評価するのではなく、「なにができて」「なにができないのか」とできることとできないことを細分化して評価することが重要です。
教育は、相手に意図が伝わって初めて成立するので、独りよがりではいけませんし、できないことだけを指摘することは相手のモチベーションをさげ、プラスには働きません。
だから、ちょっとしたことや小さいことでもいいので、できていることはすぐにほめることが大切です。
相手が何に気づき、どんなことに注意をして作業を行えばうまくいくのかを導くことが指導と言えるのです。
だから、自分自身も作業について、細かいステップを把握して作業習得の段階を踏ませていないと教えられないのです。
相手に教えていると、自分が作業をしているときには気づいていなかったことやわからないことが出てきたりしませんか。
それは、自分自身を振り返ることができるチャンスなのです。
そのチャンスを逃さず、真摯に相手に向き合い細かくステップを踏み、計画的に指導していくことが、まわり道のようで仕事を覚える上では、近道なのかもしれません。
指摘したことを相手が自分事としてとらえ、「自分の何ができないんだろう」と考え始めることが、仕事を覚える上ではとても重要なことなのですから。
そのためには、できることが多くないときから、できたことだけをすぐにほめる。これだけで、プラスのサイクルに相手が入り、みるみる仕事を自分から覚えていくものです。
教えるということは、相手を変えることではありません。
相手をよく見て、できていることに目を向ける。
そして、それを素直にほめる。
できないことは責めるのではなく、なぜできないのかを一緒に考えることです。
そして、その過程で自分自身の仕事や考え方を見つめ直すことでもあります。
相手を育てているようで、実は自分自身も育てられている。
教育とは、その繰り返しなのかもしれません。
だからこそ、教えるということは奥深く、面白いのです。
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